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福島第一原発事故によって避難した子どもたちを
受け入れている学校・地域のみなさんへ
〜日本環境教育学会からのお願い(会長緊急声明)〜

2011年5月20日
日本環境教育学会
会長 阿部 治

私たちはいま、大きな試練に直面しています。3月11日の東日本大震災によって発生した大津波が数万人にのぼる方々の命を奪い、多くの町や村を破壊したばかりか、福島第一原子力発電所の事故によって10万人を超える方々が避難せざるをえない状況です。復興の努力はすでに始まっていますが、避難生活は長期にわたると思われます。
みなさんの学校や地域にも、こうして避難してきた人々を受け入れておられると思います。避難されてきた人たちに気を配り、温かく迎え入れておられるみなさんのご努力に心から敬意を表します。
しかしながら、一部の学校や地域でたいへん残念な出来事が起きているとも伝えられています。それは、福島県から避難してきた子どもや住民に対して、放射能汚染を理由に「いじめ」や差別が起きているというものです。
私たち日本環境教育学会の会員は、学校や地域において環境教育を実践し、研究しています。福島第一原発事故によって避難してきた子どもや一般の住民の方々によって、放射能汚染が広がる危険性がほとんど皆無であることは明らかです。ふるさとを追われ、親族や隣人、知人と離れ離れで避難生活を続ける子どもや住民の「悲しみ」をぜひとも「分かち合って」ください。原発事故や放射能汚染に由来する非科学的で不合理な差別や偏見によって、避難している子どもや住民が傷つけられることのないように切にお願いします。
私たちも、学会として学校や地域で原発事故に関して学べる教材や条件をつくろうとしています。みなさんとともに、この事故によって避難してきた子どもや住民が一刻も早く「ふるさと」に帰れるように、精一杯がんばりたいと思います。